二重螺旋2

「あなた方は全て分かっていらっしゃったのですか?」

 ヒューイがユーシスに向かって尋ねた。

「俺は総督から、あなたを守るよう命令を受けていたんです。アーミアさんはたまた居合わせただけ ですけどね。」

 ヒューイは複雑な表情を浮かべてユーシスを見た。

「私は特別奨学生と引き換えに、第一層のスパイをしていた男です。そんな男をなぜ総督が?」

 ユーシスは応えた。

「総督は、このままマザーに従っていて良いのか疑問を持っています。今、マザーの力なしに研究を 行える科学者はあまりいません。しかし、あなたはそのうちの一人です。俺は、バイオシステムに 足を踏み入れなくてはならない。あそこはマザーによって一方的に封鎖されてしまっている。 ウイルスが蔓延しているという話だが、本当にそうなのか調べられる研究者が必要なんです。」

「バイオシステム…あのバイオハザードの謎を調べることができるのですか?」

 ヒューイの目に驚きが広がる。

「今日は助けてくださってありがとうございました。もし…私にできることがあるのならば手伝わせてください。」

 頭を下げるヒューイを見つめながら、アーミアは静かに微笑んだ。

「さて、あの男たちも結構な賞金首でしたのよ。賞金は三人で山分けということで…。」

彼らはまだ自分たちの未来に待ちうけるものを知らない……。

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更新日:2003年9月8日
管理人:CHI