「あなた方は全て分かっていらっしゃったのですか?」
ヒューイがユーシスに向かって尋ねた。
「俺は総督から、あなたを守るよう命令を受けていたんです。アーミアさんはたまた居合わせただけ ですけどね。」
ヒューイは複雑な表情を浮かべてユーシスを見た。
「私は特別奨学生と引き換えに、第一層のスパイをしていた男です。そんな男をなぜ総督が?」
ユーシスは応えた。
「総督は、このままマザーに従っていて良いのか疑問を持っています。今、マザーの力なしに研究を 行える科学者はあまりいません。しかし、あなたはそのうちの一人です。俺は、バイオシステムに 足を踏み入れなくてはならない。あそこはマザーによって一方的に封鎖されてしまっている。 ウイルスが蔓延しているという話だが、本当にそうなのか調べられる研究者が必要なんです。」
「バイオシステム…あのバイオハザードの謎を調べることができるのですか?」
ヒューイの目に驚きが広がる。
「今日は助けてくださってありがとうございました。もし…私にできることがあるのならば手伝わせてください。」
頭を下げるヒューイを見つめながら、アーミアは静かに微笑んだ。
「さて、あの男たちも結構な賞金首でしたのよ。賞金は三人で山分けということで…。」
彼らはまだ自分たちの未来に待ちうけるものを知らない……。
完